ニコチン
一般的に「タバコの有害物質」と聞いて真っ先に名前が挙がるのが「ニコチン」です。ニコチンの大半は肺から肺胞へと吸収されますが、一部は口腔の粘膜や唾液に溶けて胃の粘膜などからも吸収されます。こうして吸収されたニコチンが血液中に入り、血液によって各臓器に運ばれていくのです。
ニコチンの最大の特徴が「非常に吸収が速い」ということです。ニコチンは喫煙直後から血中に現れて各臓器に運ばれますが、肺から脳までなんと8秒で到達するとも言われています。
吸収されたニコチンは主に肝臓で代謝されますが、一部は肺と腎臓でも代謝されます。ニコチンは代謝されることで代謝性生物である「コチニン」となり、腎臓から排泄されます。血中のニコチンの半減期は約2~3時間ですが、コチニンは非常に長く約17時間(30時間以上という説もあります)、尿中のコチニンは喫煙後数日間認められるようです。
ニコチンは主に中枢神経および末梢に存在するニコチン性アセチルコリン受容体 (nAChR) に作用することで薬理作用(薬物が生体に生理的な変化をもたらす働き)を及ぼすとされていますが、中枢神経において nAChR は広範囲に分布しているため、ニコチンは脳の広い範囲に影響を与えることが考えられます。
末梢においては、中枢神経からの間接的な作用と、末梢の nAChR に作用することで毛細血管を収縮させ血圧を上昇させるほか、縮瞳、悪心、嘔吐、下痢などをひきおこします。一般的にも広く知られているようにニコチンには中毒性があり、通常量でも頭痛・心臓障害・不眠・苛立ちを感じるなどの症状がみられるほか、過剰に摂取すると摂取量次第では嘔吐、振戦、痙攣、果ては死亡を起こすこともあるため、十分な注意が必要です。
喫煙によって吸収されるニコチン量は1本で約2~3ミリグラムと言われています。(ヒトの場合の経口致死量は50~60ミリグラム)
電子タバコにはこのニコチンは含まれていません。

